ツインソウル・中央大橋
「俺のいちばんの絶望、おふくろと別れたことじゃないよ」
「えっ?」
「俺がいちばん絶望したのは、あんたが俺から離れていったとき。あれが人生最大の絶望。何をどうしていいのか、全然わかんなくなってさ。…あんたは、同志だと思ってたからさ」
「同志…」
「ツインソウル」に登場する最後の橋は、中央大橋。中央区の隅田川に架かる橋で、ここまで来るとスカイツリーもかなり遠くに見える。向島のスナックハローを出てからどれだけ歩いてきたんだ、ってことは突っ込まない(笑)。
「たどころさん、曲できるといいな」
「できるわよ、きっと」
「さっき話してたことだけど…」
「えっ?」
「私は、今でもあなたと私は同志だと思ってる。一緒にいられなくても」
「…で?」
「えっ?」
「演じられそう? 絶望」
「やってみるよ。俺も見つめたからさ、絶望を」
「映画の中で、主人公と一緒に絶望してみるよ。そしたら体が動くんじゃないかな、自然に」
「そう。しっかりやんなさいよ!」
「ああ」
「ありがとう」
「いいえ」
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